研究会概要
日本小児消化管機能研究会事務局よりご挨拶を申し上げます。
本研究会は1975年6月に直腸肛門内圧研究会として東北大学の葛西森夫教授を初代会長にして第1回研究会が開催されました。当時、消化管内圧測定による消化管機能、特に蠕動機能の評価やその異常の診断は研究の花形であり、研究の進展に伴って下部消化管のみならず上部消化管機能の評価法が広く普及してゆきました。諸先輩よりその頃の熱く真摯な議論の話を伺う度に、私たちもその重要性を再認識し研究に対する心構えを新たにしています。その後、消化管蠕動に関する研究は消化管神経も包含した neurogastroenterology という概念で発展し、消化管機能の研究も消化管の発生、さらに近年では再生に至るまでその範囲を拡げております。
こうした流れに沿って、本研究会は1978年の第6回研究会より小児消化管内圧研究会、さらに1985年の第15回研究会より日本小児消化管機能研究会と名称を替え、2025年2月には通算第54回の研究会が行われ、たゆまぬ発展を示しております。
本研究会は、これまでの活動の一貫として、治療・検査指針の作成、診療ガイドラインなどを行っています。
便秘症はこどもからおとなまで多くの方を悩ませています。本研究会では、日常診療における拠り所とすべく、2013年に、日本小児消化器肝臓病学会と共同して、小児科、小児外科医が中心となって、「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」を出版しました。診療の中で広く活用されてきましたが、10年を経て2024年2月に改定版作成に着手しております。本研究会の多くの会員が改訂作業に尽力され、2025年内に改訂第2版が刊行される見込みとなっています。
本研究会ホームページは、研究会の活動を紹介するとともに、関係するガイドラインや診療指針などの質の高い情報発信源として、多くの方々に研究会の情報をお役立て頂くことを目指しております。
特に小児の消化管機能そして疾患のさらなる理解や治療開発のための研究、総じて診療の発展のため、本研究会へのご協力ご助言を何卒お願い申し上げます。
日本小児消化管機能研究会事務局長
藤野明浩